企業法務部の課題と解決策

企業法務部の業務内容や評価制度には、さまざまな課題があります。どのような課題があり、どういった解決策を取るべきかをここで考えてみましょう。

企業法務部がよく抱える課題

多くの企業法務部が抱えている課題を以下にピックアップしました。

テレワークが難しい

新型コロナウイルスの影響で、テレワークを導入する企業が増えました。しかし法務部の仕事は書面でやり取りするものが多く、重要書類で社外に出すことができないものもあれば、捺印が必要となりテレワークで対応しきれないものもあります。

法務部の業務をテレワークで対応できるようにすることは、大きな課題です。

業務内容的に職員の評価が難しい

法務部の仕事は営業のようにわかりやすく数字で表せるものではないため、職員の評価が難しいところがあります。ぱっと見たときに仕事をしている、していないを判断することも難しく、上司の主観によって評価されてしまう傾向があり、それでは正当な評価を下すことはできません。

業務のやり取りに時間がかかる

法務部にはその業務性質上、他部署から法律関連の相談がたくさん入ります。その相談対応に時間がかかってしまうと、通常業務やそのほかの業務に費やす時間が削られてしまい、残業でまかなわなければならないといった事態が発生してしまいます。

企業法務部課題の解決策

企業法務部が抱える課題の解決策について考えてみましょう。

法務相談内容をナレッジ化する

他部署から寄せられる法律相談で、数が多い内容については、全社で閲覧できるナレッジにまとめて、まずはナレッジを確認した上で解決しなかったときに法務部に相談するという流れをつくることで、法律相談に対応する時間を削ることができます。

一人ひとりの判断力を上げる

法務部の仕事内容には複数人で確認した上で処理しなければならない仕事や書類がたくさんあります。しかし、確認する人数が多ければその分時間もかかるということなので、効率的だとはいえません。

この課題を解決するためには、一人ひとりの判断力を上げて、複数人で確認しなければならない業務を減らすことです。職員の知識やスキルを高め、１人でも正しい判断ができる人材を育成することが、課題解決につながります。

キャリアに応じた評価制度を固める

一人ひとりが対応している業務が見えにくい場合は、キャリアに応じた評価制度を定めて、それをもとに評価をすることが有効です。例えば、入社から５年以内の職員はスキルアップのために資格取得や英会話レベルなどによって評価をする、ベテランの職員は、マネジメント能力を評価するといった具合です。