顧問弁護士との契約タイミング

社内で用いられる各種の契約書の内容が妥当なものかどうかをチェックしたり、就業規則の見直しを行ったりするのに頼りになる顧問弁護士。では、顧問弁護士とはどのタイミングで契約すればいいのでしょうか。ここでは、顧問弁護士と契約するべきタイミングについて解説しています。

顧問弁護士とはいつ契約を結ぶ？

トラブルが起きる前に契約

顧問弁護士との契約はトラブルが起きてからで良いと考えている人もいるかも知れません。しかし、トラブルを防ぐためにはトラブルが起きる前からその対策を立てておくことが重要です。

弁護士は、法的問題解決のスペシャリストです。しかし、会社の利益を守るためにその力を十分に発揮するには、その会社をよく知っておく必要があります。会社の事業内容、経営理念、これまでの取り引きの推移、契約に使用した契約書、過去のトラブルなど、法的問題解決のために把握しておかなくてはいけない情報は無数にあります。こうした情報を事前に持っていることで、迅速な解決が可能になるのです。

反対に、トラブルが起きてから会社の中の情報収集を始めると、法的問題の解決に長けた弁護士といっても、解決までに時間がかかってしまいます。不意のトラブルに備えるのはもちろんのこと、会社の内情を早い段階で把握してもらうためにも、顧問弁護士との契約は早い段階で行っておくほうがいいでしょう。

トラブルが起きた直後に契約

トラブルが起きる前から備えておくことも重要ですが、必ずしもすべてのトラブルに事前に対処できるわけではありません。場合によっては、顧問弁護士と契約する前に、大きな法的トラブルに見舞われるケースもあるでしょう。

顧問弁護士と契約する前にトラブルが起こった場合、トラブルが起きた直後に契約することも考える必要があります。

また、会社にトラブルが生じたあと、「弁護士に対処を依頼、問題が解決したので即契約終了」、というわけではありません。トラブルのもととなる根本的な状況がそのままであれば、また同様のトラブルが起きる可能性が高いためです。その場限りの対応ではなく、今後同じようなトラブルが起きないようにするために、顧問弁護士との契約はトラブルが起きた直後にも考えておくべきです。

顧問弁護士側からしても、トラブル発生の直後に迅速に社内の状況を確認できれば、会社全体のリスクチェックやリスク対策を継続的に行うことができます。できるだけ迅速に顧問弁護士との契約を行うことは、会社・弁護士双方にとって有利に働くのです。

今後のトラブル防止にもつながる

顧問弁護士との早急な契約をしておくことは、今後のトラブル防止、言い換えればトラブルを解決しやすい社内環境の構築にも繋がります。

顧問弁護士がいる会社なら、法律に関するちょっとした疑問から法的なトラブルまで、いつでも相談できるでしょう。そうした環境ならトラブルの発生を未然に防ぎ、トラブルが発生してもその影響が大きく広がる前に解決できるでしょう。また、法的トラブル以外にも、行政による立ち入り検査などの緊急時にも、顧問弁護士がいてくれれば弁護士を探すところからスタートする必要がないので、余裕を持った対応が可能になるのです。